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| 〜 そうとわかっていれば・・・ 〜 |
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彼や私におとずれたのも一種のミッドライフ・クライシスだったのかもしれないが、そうと知ってあらためて、いわゆる中高年といわれる世代の友人をみまわしてみると、「更年期」あるいは「 ミッドライフ・クライシス」のせいなのか、いずれにしても「やる気のなくなった」パートナーに対する不満を口にする人が多いことに気がついた。
また、奥さんにないがしろにされて悲しそうにしていた男性の友人もいた。正面きって相手をののしり倒しちゃった……と話す女性も。
私のように無視をきめこみ相手を透明人間状態にしてしまうのとでは、どちらが冷たいのかよくわからないが、ほんのすこしの言葉やふるまいで、相手がどれほど傷つくことか。
ところで私がやる気をなくしてだらだらしていた時、彼は決して怒らなかった。彼は私に少し早い更年期障害が訪れたと思ったらしく、仕方がないという思いで、みまもってくれたようだ。
いまにして思えば、結果的には、人生の途中でこのような休憩時間をとれたこと、生きかたや考えかたを見直すことができたことがいまの仕事につながっていると感謝しているものの、やはり当時の私をみれば、怠けているとしか思われないだろう。
そんな私を、彼がよくぞ怒りもせずにしんぼうしてくれたものだと思う。それなのに、私のほうはといえば、彼が不調だったとき、心のなかで彼をなじっていた。
彼を無能力者のように思う意識や冷たい仕打ちは、言葉にださずとも波動として伝わっていたと思う。
もし、「男性にも更年期」という知識が当時の私にもあれば……。
しかるべき病院に行ってホルモンチェックなどもうけるようすすめて、自分の身に何事がおこっているのかわからずに悩んでいた彼を、安心させることもできたかもしれない。
私自身もそれによって適切な対応を考えることもできたことだろう。
そして何より、「そうとわかってさえいたら」、彼に対してあれほど冷たい仕打ちはしなかったかもしれない……(と思う)。
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